供述調書を漏洩した医師が逮捕された。秘密漏示罪Wikipedia

この事件、報道を萎縮させるとか、知る権利や表現の自由などとの関係で否定的な論評が多い。
こんな感じ。

秘密漏示容疑による強制捜査は異例である。同種の捜査が頻繁に行われるようになれば、憲法が保障する表現の自由を脅かしかねない。

琉球新聞

報道や表現の自由に関する深い知識を持ちあわせていないが、
私が思うに、
“公権力の側”にいる鑑定医が、情報を漏洩したことが問題なのでは?

(公権力が不正を行っていて)
医師がそれをただすために、情報を公開したなら、話は別だけど、
公権力によって得た情報を、単に勝手に他人に公開した。

供述などが外部に公表されないものであり、そのルールに基づいて作成されているものを勝手に外部へ公開した。
これが問題では?
表現の自由とは、次元が違うような。

もし、これが違法でないなら、検察でも誰でも、供述調書を外部へ公開できてしまう(無論、今回の逮捕・拘留は見せしめ的なので、その点を非難するなら、適切かもしれない)。

残る問題は、供述調書を引用した著者の方だ。
この著者が、どのような罪に問われる可能性があるのか、ないのか。
取材源に違法性の認識があったかどうかは別にして、
不当な取材かどうかということか。

正直、これは私には答えがない(起訴されない見込みと報道されている)。

情報を公表したから罪に問われるというわけではないだろう。
プライバシーの侵害なら、民事で争える。

秘密漏示した医師が逮捕され、
プライバシーを侵害した著者は損害賠償裁判?になるとすれば、
公平性を欠くような気もするが、
公権力が罰せられ、報道が保護されるという点では意味がある。

ただ、供述調書の丸写しのような本を出してジャーナリストというのだけは認めたくないし、それを認めないことが、著者への態度として私のできる最大の選択か。