ネット安全モラル学会の
会長をつとめる早稲田大学教育・総合科学学術院の田中博之教授は、こう話す。
もし仮に、子どもから全く携帯電話を取り上げるようになっても、抜け道がいくらでもあると思うのです。そうして結局、監視が行き届かなくなってしまうのが心配です。それだけでなく、小中学校で禁止となっていて、高校生になってはじめて所持したとしましょう。その頃になって、安全に利用できるのでしょうか。知識がないためにかえって、いい加減な利用に拍車をかけるのではないかと思うのです

とありますが、
知識がないものをいきなり使ったからといって、いい加減な利用に拍車がかかるでしょうか?
未知のものを利用するときに、わざわざいい加減に使うでしょうか?

どこに抜け道があるのでしょう?お金を親が管理する小中学生に。
ネットカフェも、まともなところは保護者同伴でしょう。もし抜け道があるなら、その抜け道(小学生を入れてしまうネットカフェ)をふさいでください。

私は、携帯電話が大学時代にやっと普及し始めた世代ですが、いきなり知識がないまま携帯を使ったからといって、いい加減な利用に拍車がかかるでしょうか?
様々な道具に、多様な側面の危険があるかという分別がついた年齢であれば、姿の見えない人とコミュニケーションを取ることの難しさ、そして有用性?に思いを巡らして利用すると思います。思いを巡らして利用できないなら学ぶ力を小中学生の内に付けておけばよいではないですか。それが教育でしょ。

よくある議論で、
禁止することではなく、子どもがそういった情報にアクセスしないような仕組みをつくること
と言われます。しかし、それを完全に実現するのは、日本の法律だけで縛られていないインターネットの世界では、かなり困難です。おまけに、表現の自由との兼ね合いで、情報の発信を規制することも難しいでしょう。

ゲームセンターの夜の出入りに、子どもに対して規制があるのと同じです。親同伴でも入れません。どうして、ネットリテラシーを小学生や中学生に携帯を使って教えなければならないのでしょう。
発達年齢にあった道具や枠組を使って、○○リテラシーを教えればよいではないですか?先に述べたように、小中学生に学ぶ力を身に付けさせればよいではないですか。

学校のパソコンで匿名同士でチャットしてみて匿名同士の会話の問題点とか、話し合ったらいいじゃないですか?適当な学年で。少なくとも匿名コミュニケーション能力を獲得しなければならない年齢は、小学生ではないでしょう。匿名コミュニケーション能力の獲得に適した年齢があるでしょう。匿名であることの意味が、理解できない子どもに、どうやってリテラシーを身につけさせるのでしょうか? 

匿名でコミュニケーションできる道具ができたからといって、それを匿名の概念が理解できない年齢に、なぜ携帯電話を持たせてまで教える必要があるのか? まったくその疑問に答えていない。そこまでネットモラルを主張して小中学生に持たせる必要がどこにあるのか。 リアルな?世界のモラルすらまともに身についていないのに。
おまけに、
ネット安全モラル学会をみると、
ネット安全モラル学会は、21世紀に生きる子どもたちがインターネットと携帯電話の恩恵を受けるとともに、その犯罪性について深く理解し、ネット犯罪の加害者にも被害者にもならない自制心と行動力を育てることをねらいとして、世界中の研究者、実践家、実務家、民間企業、行政、保護者などの幅広い知恵と行動力を結集して、各種の学術研究と実践的なプロジェクトに取り組むために設立されました。

(2009/6/30現在)
とあるけど、日本語の意味がわからない。インターネットと携帯電話の恩恵を受けるとともに、その犯罪性について深く理解し、って
インターネットと携帯電話の犯罪性って何? そういうのがあるなら、自制心や行動力を育てる以前に使わせない方がいいでしょう。

犯罪性のあるWebサイトや、犯罪性のある携帯電話の利用形態として、インターネットや携帯電話を利用した何か(売春斡旋とか、中傷サイトとか、)に犯罪性があるのであって、インターネットと携帯電話に犯罪性はないでしょ。