新幹線の前方部の席に乗った時のこと
私は座席に座りながら、通路の薄い茶色?の小窓から、デッキの向こうの車両に行きたがっている娘が見えた。

小学校就学前ぐらいの娘が、新幹線のデッキ(連結部)で、自動扉が開かず、取り残されていた。泣きもせず、アプローチしていたから良かった。私は、すぐ、私側の車両の自動扉を越えて、デッキへと行き、向こうの車両の自動扉を手をかざして開けた。この娘は、なぜ開いたか理解できないような顔をして親の元?へ戻っていた。
この娘は、他の大人とともに、自動扉を越えて、デッキのトイレに来たようだった。しかし、いざ座席に戻る段になって、自分の背の高さでは、自動扉に感知されないようで、自動扉の前で立っていた。自動扉の感度が良すぎれば、確かに車両の前方の人間には不愉快だろうが、この娘にはセンサーが反応しなかった。
 こんなところに、都市の危険が潜んでいると思った。子どもが一人で歩くことなど想定されていないのだろう。しかし、その想定外が思わぬ事故を招くこともある。もし、これが駅に停車中なら、開いた横のドアから列車を降りてしまうかもしれない。

 新幹線の中にも死角はあるということを忘れないようにしよう。